クメールの探求


バンテアイ スレイのデヴァターについて  NO5

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クメールのデヴァターについて NO1



クメールにて 建物の側面にデヴァターが描かれるのは8世紀「コンポン プリア様式」からで
現在 シエムリアップ州にある プラサート タロン ベンのデヴァターが 最も古いデヴァターでは

このデヴァターからクメールの基本的なスタイルは13世紀まで受け継がれていきます


NO1


クメールのデヴァターは
コンポン プレア様式「8世紀」の
寺院  プラサート タロン ベンのレンガ造りの
祠堂の側面に描かれている

このデヴァターが最も古い


デヴァターは立像で上半身は裸で下半身に
サンポット 
この基本はバイヨン様式「13世紀」まで
同じスタイルです


このタロン ベンのデヴァターは
多分 宝冠はあり 腕輪があると思いますが

払子を握り締めていますが
払子は これもバイヨン様式まで描かれています


片手は下に下がっています
足は前方の向いていますが

手  足は時代で変化して描かれます
NO2


プラサート トラピエン ポン

9世紀の初めでは?


デヴァターは 壁巖の中に安置されている
NO3


プレア コー


9世紀


 壁巖の左右にマカラーが
描かれている
NO4


ロ レイ   9世紀


 壁巖の中にデヴァター

それらは砂岩造り



 壁巖の左右にマカラーが
描かれている
NO5


バコンのデヴァター  9世紀


レンガ  漆喰造り


バケンは砂岩作りのデヴァターもあります


 壁巖の左右にマカラーが
描かれている
NO6


プノン バケン  10世紀


デヴァターの上に童子が描かれている


両足はひらて描かれている



この不自然なスタイルは
インド  ネパール  パキスタンなど

多くの国の像に描かれています




首と乳房の下に何本かの線が描かれています

首は インドから受け継がれたもので

ガンダラー石像から見られます



クメールでは8世紀から13世紀の
デヴァターに描かれています
NO7


プノン クローム 10世紀


 壁巖の左右にマカラーが
描かれている
 NO8


プノン ボック  10世紀

壁巖の左右にマカラーが
描かれている
NO9


パクセイ  チャム  10世紀


漆喰の剥離が酷い
NO10


プレ ループ  10世紀中頃


このデヴァターが年代的に
最もバンテアイ スレイに近いデヴァターでは


バンテアイ スレイと違う点は


1 レンガと漆喰
2 宝冠をかぶる
3 耳飾の形
4 足が開いている


デヴァター一覧


NO 寺院名 年代 様式 位置 宝冠
1 プラサート タロン ベン 8世紀 コンポン プリア シエムリアップ州
2 プラサート トラピエン ポン 8-9世紀 シエムリアップ州
3 プレア コー
9世紀 プレア コー シエムリアップ州
4 ロ レイ 9世紀 プレア コー シエムリアップ州
5 バコン 9世紀 プレア コー シエムリアップ州 開く
6 プノン バケン 10世紀 バケン シエムリアップ州 開く
7 プノン クローム 10世紀 バケン シエムリアップ州 開く
8 プノン ボック 10世紀 バケン シエムリアップ州 開く
9 パクセイ  チャム 10世紀 バケン シエムリアップ州 開く
10 プレ ループ 10世紀 プレ ループ シエムリアップ州 開く
11 バンテアイ スレイ 10世紀 バンテアイ スレイ シエムリアップ州 やや横
NO11


バンテアイ スレイ  10世紀


上記   8世紀から10世紀のクメールのデヴァター 10体をを紹介しました

その内9体のデヴァターは  宝冠をかぶっています

又 足は 前に向くか 開いて描かれていますが


それに対して バンテアイ スレイのデヴァターは

宝冠はなく 足はやや横を向いて描かれています



10体の年代と  場所が異なるデヴァターを紹介しましたが  バンテアイ スレイのデヴァターが 最も造りの良いデヴァターでは

それと  バンテアイ スレイのデヴァターから それまでのデヴァターは すべて宝冠をかぶっていましたがバンテアイ スレイは宝冠をかぶっていません

その後のデヴァター  11  12 13世紀にも多くのデヴァターが各寺院にデヴァターが描かれていますが 約90%のデヴァターは宝冠をかぶった姿で描かれています

又  バンテアイ スレイのデヴァターから足の位置が やや横に描かれています


この姿も バンテアイ スレイのデヴァターからです

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